わたしたちが飼い主様と動物の縁結びを始めたきっかけは、2001年当初。一般的なペットショップでは、動物たちはまだ親や兄弟と一緒にいることが望ましいとされる時期に、親元を離され小さなショーケースに並べられて、新しい家族が出来るその日まで、決していい環境とは言えない状況下に陳列されていました。
母親からもらった免疫が切れるころに親元から離されるので、伝染病や寄生虫感染をしている子たちも多く、その短い生涯を閉じることを余儀なくされた動物たちもたくさんいました。
そのような状況下で診療していたもどかしさから、獣医師こそが動物の健康管理をし、またブリーダーさんを啓蒙し動物たちの健康維持を向上させ、動物も人も満足できる出会いを提供すべきではないかと考え、ドッグギャラリーを立ち上げました。開店準備中、既存で販売されていたケージはとても小さく、電気付きがほとんどでした。その為ケージは特注にし、動物にかなりのストレスを与える電気の点灯をやめ、少しでも動物たちが安心できる環境作りを心がけました。
子犬の飼い方のセミナーや、パピークラス、獣医師による栄養学講座など、様々な企画を人と動物の絆作りに力を入れたものです。
それから10年。
ペット業界の環境改善が改善され、同じようなコンセプトを掲げたお店が増え始め、そして昨年、ようやく動物愛護法が改正されました。まだまだ満足のいく結果が得られていないのが現状ですが、ペット業界も少しずつ改善していくでしょう。
基本的なことですが、子犬を手に入れる場としてペットショップは最良の場ではありません。「子犬時代を母もとで過ごし、基本的なしつけを身に着けてからオーナーの家へ……」というのが理想だと思います。
でも、一般の飼い主さんが子犬と出会うのはほとんどが「ペットショップ」です。小さく本当に可愛らしい時期を飼いたいという心理は理解できます。しかし動物たちの視点から考えれば、それは人間のエゴであり、こういったところも日本がペット後進国といわれるゆえんだと感じます。
ドッグギャラリーは子犬の陳列や販売を行わないことに決めましたが、日本のペット販売が今後どのように変わっていくかは、新しく飼い主となられる方にゆだねられています。可愛いからというだけでなく、動物達との本当の意味での共生・共存を考え、「どんな動物達との出会いがお互いにとって幸せなのか?」これからも、考えていきたいと思います。
何十年も一緒に暮らす家族のために、どうかこの趣旨にご賛同頂き、これからのドッグギャラリーを暖かく見守って頂けることを切にお願い申し上げます。