前回のブログ『犬の赤ちゃんと出会うまで…part1』では
女の子のワンちゃんが男の子のワンちゃんを受け入れるまでの過程をお話させていただきました。
今回はワンちゃんの妊娠中のお話をしたいと思います。
犬の妊娠期間は、およそ58~63日です。
だいたい2か月くらいです。あっという間ですね!!
そんな短い時期を楽しみつつ、母犬が安心して赤ちゃんを産むことができるように、
出産までの期間を、妊娠前期、妊娠中期、妊娠後期の3つの期間に分け
それぞれの時期の管理や過ごし方についてお話します。
10月15日に赤ちゃんが誕生したアリスちゃんの様子と一緒にご紹介していきますね!!
ワンちゃんの妊娠
前回のブログでもお話しましたが
ワンちゃんの交配適期は、発情出血が始まってから約15〜17日目とされ、排卵後約4日間は受精が可能です。
この時に交配し、受精が完了したらワンちゃんの妊娠期間が始まります。
ちなみにお父さんはトイプードルのシルバーの可愛い男の子でした♥
血統書やワンちゃんの大きさなども考慮して相手を探します。
交尾後、卵管内で受精が行われ、細胞分裂を繰り返しながら受精卵は子宮内に向かって降りてきます。
胚となった受精卵は子宮内にて浮遊し、やがて子宮内膜に接着します。
つまり着床ですね。
着床までの時間は個体により異なり、受精後約11~23日で着床が始まると言われています。
妊娠前期
交尾が確認されてから卵子が受精していても、最初の20日ほどは受精卵はまだ子宮には着床していません。
この期間はとても不安定で、流産も起こりやすくなりますので、犬の飼育環境には十分に注意してあげてください。
過度な散歩や激しい運動、ジャンプ、高いところから飛び降りる、シャンプーをするといった母体に負担になることは控えます。
アリスちゃんはもともと活発な子、しかも多頭飼いのため、
他のワンちゃんとの過ごし方に少し気を遣うようにしました。
また、胎仔の器官形成期であるため、安易な薬物投与は胎仔奇形を招くようなリスクがあります。
各種ワクチンや予防薬などの投与は極力避けなければいけません。
アリスちゃんも交配の前にしっかりと予防接種が済んでいることを確認し
病気や怪我をしないように気を付けながら生活をおくるようになりました!
皆さんも交配をお考えの場合は動物病院に相談してくださいね。
また、犬が妊娠して約2~3週間の着床時期に、
食欲の低下や嘔吐などのつわりのような症状や、味覚の変化によって
今まで食べ慣れていた食物やおやつを食べなくなることもあります。
これも妊娠の兆候の一つです。
アリスちゃんもこの時期ドライフードのみでは全く食べなくなってしまいました😢
美味しい物も混ぜながらあげてみたり、食事の工夫が必要なこともあります。
これはアリスちゃんの交配から3週間後の超音波検査です。
しっかり着床して、育ってきているようです。
妊娠中期
妊娠中期は、いわゆる安定期に入る時期です。
犬には妊娠検査薬がないので、簡易な方法で妊娠判定することはできません。
動物病院でホルモン検査による妊娠判定も可能ですが、一般的ではありません。
妊娠の確認は中期になったくらいから、超音波検査(エコー)で可能になります。
アリスちゃんは少し早めに確認ができましたが、このくらいの方がしっかりと確認がとれますね!
一般的には妊娠約4~5週になると動物病院でのエコー検査にて胎囊(たいのう)を観察することができるため、
妊娠の確定診断となります。
また、この頃には個体差はありますが、腹部の触診でも確認することが可能となります。
コロコロした丸い玉みたいなのが、アリスちゃんも確認できました!
そして、このあたりから、だんだん乳腺が張ってきて、おなかも少しずつ膨らみ始めるのが兆候です。
また、あまり活発に動くことが減り、なんだかおとなしくなってしまったように感じたりする期間です。
あんなに活発なアリスちゃんもみんながビックリ❕するくらい大人しくなりました。
この期間は、おなかの赤ちゃんが急激に大きく育つ期間なので、母犬に表れる症状としては食欲旺盛になる兆候があります。
アリスちゃんも5週間目に入ったあたりから、しっかりとフードを食べてくれるようになりました。
外陰部からおりものが出る事もありますが、
もしも半透明でなく赤黒かったり匂いがきつい場合は、流産の疑いもあるので注意してください。
母体と赤ちゃんに必要な栄養をとらせるために、フードも質が良くて高カロリーな妊娠、授乳期の犬用フードに切り替えましょう。
体重も赤ちゃんが成長するにしたがって、どんどん増えます。
中期も後半の期間になると、超音波検査(エコー)で赤ちゃんの姿がはっきりと見えます。
赤ちゃんの心臓の動きも確認できるようになってきます。
妊娠すると約4~6週間経過すると乳腺がはり、乳首周辺の毛が抜け落ちます。
腹位の膨らみもはっきりわかります。
また、外陰部からおりもの様な粘液が出る症状も見られることもありますが個体差があります。
妊娠後期
妊娠7-9週間頃です。
いよいよ出産が近づいてきます!!
赤ちゃんも急速に成長します。
お腹の膨らみもはっきりと目立つようになってきました!!
この時期になるとお腹に手をあてると胎動を感じることができるようになります。
外からみてもお腹がもにょもにょ動く様子をみることができます。
これだけお腹が大きくなると胃が圧迫されてしまうので
一度にたくさんの食事がとれなくなってきます。
少量を頻回に与えるように心がけました。
寝にくそうでしたね…💦
膀胱も圧迫されるので、おしっこする回数も頻回になります。
また、母犬にも様々な行動の変化が現れてきます。
犬の祖先であるオオカミの妊娠では本能によって外敵から発見されないような場所に穴を掘り、そこで出産し子育てします。
犬の妊娠後期で床を引っ掻く様な行為、または土に穴を掘る行動を営巣行動と言い母性本能からくる自然な行動です。
あかり先生は出産前によくこの行動をとっていて
営巣行動がみられる度に出産か⁉
と夜中もビックリして飛び起きたものですが…
あかり先生と比べると、アリスちゃんはこの行動が少なかったです。
予定日に近づくと安全な出産を迎えるために
胎仔数、胎仔の大きさを確認します。
レントゲン検査をすることで確認をすることができます。
骨盤の大きさと胎仔の頭の大きさを比べて
自然分娩が可能かどうか確認します。
出産予定日が近づくとお家の環境も整えます。
●体温測定
出産予定日の1週間まえから朝・晩2回母犬の体温測定をします。
出産間近になると体温が下がります。
●出産場所を作る
営巣行動が見られ始めたら、母犬が安心して出産できるように
出産する場所を作ってあげます。
人の目が届くところで、テレビなどから遠ざけた静かな場所に
段ボール箱を置き清潔なタオルを敷いてあげます。
出産
さあ、準備は完璧!!
あとは出産の時を待つだけです。
10月15日(木) 17時15分頃 アリスちゃん破水しました。
この時、アリスちゃんがなかなか力む様子が見られなかったため
念のため動物病院に連絡しました。
1時間程自然に分娩ができるかどうか様子を見ましたが
やはり力む様子がなく
獣医師と相談して帝王切開をすることになりました。
19時過ぎ動物病院に到着!!
帝王切開で無事に赤ちゃんが誕生しました✨
19:32 長男 180g
19:35 次男 170g
19:42 三男 165g
19:45 長女 150g
良い感じの大きさで安心しました💖
ワンちゃんの妊娠から出産までの様子が
なんとなくわかりましたか?
次回は可愛い楽しい育児の様子についてご紹介したいと思います。
お楽しみに…♫